2020年シーズン、苦戦を強いられているオリックス・バファローズ。
開幕から低迷を続け、西村徳文監督が退任するなど、なかなか明るい話題がない状況となっていますが、今シーズンのオリックス・バファローズは、個人タイトルに注目です。
個人タイトルでは、投手部門で今やオリックス・バファローズのエース、山本由伸投手が最優秀防御率のタイトルをほぼ手中に収めています。
2020年10月12日現在、パ・リーグでは唯一の防御率2点台と「最も点を取られない投手」として、活躍をしています。
2021年に開かれる東京オリンピックでも、侍ジャパンのエースの一人として候補に挙がるほど、今や球界を代表する投手になっています。
しかし、球界を代表する投手ともなれば、気になるのが今後の所属先。
オリックス・バファローズに入団して4年目。今後移籍の可能性があるのか。それは国内なのか、はたまたメジャーリーグなのか。
今回は、そんな山本由伸投手の将来の移籍先について、大胆に予想していきたいと思います。
山本由伸の出身地・経歴・成績・プロフィールについて
山本由伸投手は、1998年8月17日生まれの22歳(2020年10月現在)。
身長178cm、体重80kgと、プロ野球選手の中では、標準的な体格をしています。
岡山県備前市出身で、小学校中学校と地元岡山で過ごしてきました。
野球を始めたのは、小学校1年生の時。地元の軟式野球チーム「伊部パワフルズ」に入団したことが始まりでした。
野球歴でいうと、小学校1年生のときというのはかなり早い方です。
小学校ではどのポジションで活躍されていたか不明ですが、中学校時代には、地元のボーイズリーグ「東岡山ボーイズ」にて二塁手兼投手として出場していたことから、小学校時代は内野手であった可能性があります。
やはりプロで活躍する投手は、野球人生を投手で始めている人が多いようですが、山本由伸投手は内野手出身だということになります。
中学校時代には「東岡山ボーイズ」で全国大会にも出場していたそうですから、まさにこの頃から「野球エリート」の道を辿っていました。
中学校卒業後は、野球に専念するため、地元・岡山を飛び出し、宮崎県の都城高等学校に進学しました。
高校入学後は、1年生の時から本格的に投手としての練習を始めました。しかし一方で、内野手としての素質も非常に高かったようで、1年生の時の夏の大会では「三塁手」として出場していました。
2年生になるに向けて投手に専念するようになると、2年生の春には球速147km/h、そして夏の大会では151km/hをマークするようになりました。
この豪腕ぶりから宮崎では県内で有名な投手として注目されるようになりましたが、高校3年間で甲子園大会出場の夢は叶いませんでした。
それでも当然、これほどの逸材に目を付けているプロ野球のスカウトがいました。
そして、2016年のプロ野球ドラフト会議にて、オリックス・バファローズから4位指名を受け、入団することになりました。
指名当時は、山本由伸投手の指名・入団に対してそれほど多くの注目は集まっておらず、まだまだ素材型の投手として、将来が有望視されているわけではありませんでした。
チームとしても高卒で入団した山本由伸投手を即戦力ではなく、じっくり育成する方針をとり、プロでの初登板は2017年の5月に2軍で果たしました。
しかし、山本由伸投手は、高卒としては異例のスピードで猛アピールすることとなりました。
結果としては、8月までの8試合の登板で、2勝0敗。特筆すべきは防御率で、2軍といえども、0.27という成績を残しました。
そしてこの成績を引っさげ、なんと高卒1年目ながら、8月20日に1軍初登板を果たすこととなりました。
惜しくもこの試合では勝敗がつかなかったものの、次週では見事勝利投手となり、プロ入り初勝利を挙げました。
プロ入り2年目は春季キャンプから1軍に帯同を続け、先発ローテーションを争っていましたが、惜しくも1軍の先発ローテーション入りは果たせませんでした。
2軍で先発としての調整を続けていましたが、4月下旬には1軍へ昇格し、セットアッパーの一角を担う活躍を残しました。
シーズン途中には調子を崩したり、負傷する場面もありましたが、結果、54試合に登板し、32ホールドを記録する大車輪の活躍を見せました。
今でこそ山本由伸投手といえば、球界を代表する先発投手としてのイメージが強いですが、1軍定着のきっかけは、このセットアッパーとしての活躍が評価されてのことでした。
プロ入り3年目は、先発として再度調整を行い、開幕ローテーション入りを果たしました。先発に再転向した後も、山本由伸投手は安定した投球を見せ、プロ入り初完封なども記録しました。
8月には前年同様に故障で離脱する場面もありましたが、結果、防御率1.95という驚異的記録を残し、自信初のタイトルとなる最優秀防御率のタイトルを獲得しました。
プロ入り4年目の2020年シーズンは、背番号をエースナンバー「18」に変更。今やプロ野球を代表する投手ともなっており、2020年10月現在では、目立った故障もなく活躍をしています。
そして、2年連続となる最優秀防御率のタイトルも見えてきているほど、安定した投球・成績を残し、活躍をしています。
山本由伸のFA権取得、最短はいつ?
今やプロ野球を代表する若きエースとして活躍している山本由伸投手ですが、気になるのがFA移籍。
山本由伸投手が所属しているオリックス・バファローズは長年低迷が続いており、先輩である西勇輝投手(現・阪神タイガース)がFA権を行使している姿を見ていることなどからも、山本由伸投手にも、移籍の願望が芽生えてきているかもしれません。
FA移籍については、1軍に登録される必要日数が存在します。
また国内球団か海外球団に移籍するかで必要な日数が異なっており、山本由伸投手の場合は、国内移籍であれば、累計で8年、海外移籍であれば、累計で9年の1軍登録日数が必要となります。
登録日数は145日を最低日数としてカウントされます。ただし、登録日数が145日に満たないシーズンが複数ある場合は、その日数を合算して満145日ごとに1年として計算されるようになります。
では、山本由伸投手のFA取得までにかかると想定される日数を確認してみましょう。
山本由伸投手は、2020年10月12日現在までに、2年と133日の1軍登録日数を記録しています。
ここから逆算するに、国内移籍が可能となるFA権取得までに5年と12日、海外移籍が可能となるFA権取得までに6年と12日が必要となります。
12日という日数がなんとも絶妙に残ってしまうため、国内FA権取得については6年後のシーズン、海外FA権取得については7年後のシーズンとなります。
山本由伸投手の年齢でみると、国内FA権取得は28歳のシーズン、海外FA権取得は29歳のシーズンとなります。
こうしてみると、FA権取得までにはなかなか長い道のりとなります。
ましてや山本由伸投手の場合は、投手ですので、気になるのが、肘や肩の消耗。
日本人の投手育成方法は、肘や肩を酷使しながら、育成をしていく方針が根強いため、海外移籍した頃には、疲労が蓄積した状態である可能性が非常に高いです。
現在、メジャーリーグで活躍している田中将大投手や、ダルビッシュ有投手、大谷翔平投手もこの故障を乗り越えて現在活躍をしています。
そう考えると、このFA権の取得を待つまで、移籍をせずに過ごしていくとは考えにくいです。
山本由伸のメジャーリーグ移籍の可能性は?
引用:ZAKZAK
そこで移籍手段の可能性として挙がるのが「ポスティングシステムを行使した移籍」です。
日本では「入札制度」とも呼ばれることが多いこの制度。
移籍先として立候補した球団が、現所属球団へ譲渡金を支払うことで成立する移籍制度で、選手が所属している球団が行使できる制度です。ポスティングシステムは、現在メジャーリーグで活躍している多くの選手が使用した制度であり、FA権の取得を待たずに海外球団への移籍が可能となります。
実際に山本由伸投手も、将来のメジャーリーグ挑戦を公言していたこともあるため、山本由伸投手自身は、メジャーリーグへの移籍を夢見ていることは間違いなさそうです。
今からメジャーリーグへの挑戦を夢見ている中で、海外FA権取得までの7年間を日本プロ野球で過ごし続けるとは、やはり考えづらく、山本由伸投手のポスティングシステムの行使によるメジャーリーグへの移籍の可能性は非常に高いと言えると思います。
山本由伸のメジャーリーグからの評価について
スポンサーリンク山本由伸投手に対するメジャーリーグからの評価についてですが、メジャーリーグのスカウトにアピールする絶好の機会となったのが、2019年に開催されたプレミア12大会です。
プレミア12で山本由伸投手は、セットアッパーとしての登板ながら、最速158km/hを記録し、この豪速球と球速差が少ない変化球を投げられること、そしてストレートとフォークのフォームが変わらないことなどから、メジャーリーグを経験した球団OB・井川慶氏からも絶賛されるほどです。
メジャーリーグのスカウトからの同じような評価を受けているものと思われてますが、やはり気になっているであろうことが、肘・肩の勤続疲労による故障です。
日本球界で酷使と言うほど登板が無かった大谷翔平投手でさえも、右肘を手術するほどになったわけですから、山本由伸投手に対しても同じように懸念されている可能性が非常に高いです。メジャーリーグのスカウトからは「お願いだから酷使しないでくれ…」との思いが聞こえてきそうなぐらいです。
山本由伸投手に対するメジャーリーグからの評価については、概ね問題ない状況と思われますが、問題となっているのが、メジャーリーグへの移籍環境についてです。
新型コロナウイルスの影響で、メジャーリーグのスカウトが視察に来ることが出来ないことが、移籍への可能性を引き下げています。そもそも、メジャーリーグは2020年シーズンを大幅に縮小したことで、球団利益が少ない状態となり、選手を獲得できる資金が潤沢であるとは言えない状況であることから、この状況が来年以降も続けば、大金が必要となるポスティングシステムを行使した移籍は、相当な成績を残さない限りはあまり現実的ではない状況であるかもしれません。
もちろん、今まで通りのシーズンが戻れば、1年でも早く獲得したい、というのがメジャーリーグ球団の思いであると思われます。
山本由伸の巨人へのFA移籍の可能性は?
引用:スポーツ報知
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では、国内移籍に目を向けて、日本球界への移籍可能性はあるのでしょうか。
国内から多くの選手を獲得している、球界の盟主・巨人への移籍可能性について考えてみます。巨人は、近い将来に、現在のエースである菅野智之投手のメジャーリーグ移籍が現実味を帯びています。現在、戸郷翔征投手などの若い投手の力がついてきているのは事実ですが、先発陣は慢性的な不足と言えるのではないでしょうか。
国内移籍となれば、28歳のシーズンですから、まさに脂が乗りきった頃とも言えるため、まさに喉から手が出るほど欲しい選手である可能性が高いです。
仮に国内FA宣言をしたならば、エースナンバー「18」を用意するほどの待遇まで考えられます。また巨人と山本由伸投手の縁といえば、山本由伸投手の名前の「由伸」。この名前は巨人で活躍した高橋由伸氏が由来とされていることから、その高橋由伸氏が所属していた巨人に移籍ともなれば、この縁が結んでくれる可能性もありそうです。
また環境についても、パ・リーグからセ・リーグへの移籍となるため、例え今後山本由伸投手が研究され、パ・リーグで通用しなくなってきたとしても、リーグを変えることで復活する、などということもありそうです。
巨人移籍については、メジャーリーグから日本球界に復帰した岩隈久志投手のような形で入団することは可能性として高い可能性はあります。
山本由伸のソフトバンクへのFA移籍の可能性は?
パ・リーグにも大物選手の獲得。大型補強に得意なチームがあります。
それが福岡ソフトバンクホークス。若手の育成も評価されていますが、大型補強を随所で行い、常勝軍団として成り立っています。その福岡ソフトバンクホークスですが、こちらは将来的な観測も考慮しても、先発投手陣は成長してきている様子が伺えます。
しかし、現在ベテランである和田毅投手、そして中堅として奮闘している武田翔太投手、また外国人投手なども起用している現状を思うと、6年後には補強が必要な状態になっている可能性があります。特に不足していなくとも、山本由伸投手の獲得によって、オリックス・バファローズが戦力ダウンすることを見越して獲得する可能性もあります。
山本由伸投手にとっては、高校時代に過ごした九州地方の球団であることや、怪我が気になりだす年齢にうってつけの充実した球団設備、そして慣れ親しんだパ・リーグへの移籍ということもあり、可能性として無いわけではないかと思われます。
しかし、メジャーリーグへの挑戦を公言している以上、戦う相手や球場がほとんど変わらない同一リーグへの移籍というのはやや現実味がないという見方もできるかもしれません。
ソフトバンクへの移籍については、巨人同様、メジャーリーグからの日本球界に復帰した場合に獲得に乗り出す可能性があるかもしれません。ちなみにソフトバンクもメジャーリーグから日本球界に復帰した五十嵐亮太投手、和田毅投手などの獲得実績があります。
メジャーリーグへの移籍については、現状やや逆風が吹いている状況ですが、レギュラーシーズンでは2年連続の最優秀防御率のタイトル獲得に向かって視界良好な状況です。来年へと開催延期となった東京五輪でも、エース格として活躍が期待される山本由伸投手に対しては、国内外からさらに注目を浴びることになると思います。
また、弱冠22歳という年齢を考えても、これからさらなる進化を遂げ、日本球界史上最高の投手になっていく可能性も十分にある状況です。
ポスティングシステムの行使希望までの公言はしていないものの、プロ入り4年目ですでにメジャーリーグへの挑戦を公言している、ということは、ポスティングシステムの行使の可能性が極めて高いと言えます。
日本プロ野球界の発展を願い、巨人やソフトバンクなどがFA権まで食指しているのは非常にもどかしく、国内移籍は、メジャーリーグ帰りになる可能性が高いですが、若いうちにメジャーリーグへの調整を現実のものとしてほしいですね。そして何より、メジャーリーグへの移籍が現実となる前に、オリックス・バファローズを優勝に導くような成績を残してほしいですね。
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