ついにアメリカからとんでもない選手がやってくる。
カーター・スチュワート・ジュニア投手、19歳。
彼は昨年MLBドラフトにおいてブレーブスから1巡目(全体8位)指名を受けましたが、身体検査で手首に懸念が判明したことで契約金の提示額が下がり、7月上旬の期限までに合意に至らなかった逸材です。
そして今年のMLBドラフトでも1~2巡目で再び指名を受けることが確実視されていたが、まさかの日本球界に挑戦という道を選んだのです。
これまでの常識を覆しているスチュワート選手。これからご紹介したいと思います。
カーター・スチュワート(ソフトバンク)のプロフィール(経歴,成績)
名前:カーター・スチュワート・ジュニア
生年月日:1999年11月2日
出身地:アメリカ(フロリダ州メルボルン)
身長:198センチ
体重:91キロ
投打:右投右打
経歴:オー・ガリー高校-東フロリダ州立短大-福岡ソフトバンクホークス
カーター・スチュワート・ジュニアはアメリカ出身の野球選手です。
フロリダ州オー・ガリーにあるオー・ガリー高校出身で、高校在学時はジュニアとして、11勝2敗・防御率0.81・104奪三振を成績を残しています。さらに夏にはパーフェクトゲームオールアメリカンクラシックに参加しています。
アメリカには日本のように甲子園を目指して各校頑張るという文化ではなく、選ばれし精鋭部隊のみで開催される大会に出場することを目標にしている選手が多く、スチュワート選手もその1人でした。
ちなみに、一部の有能な選手しか参加できないこれらの大会は、過去15年で663人が参加し、そのうちドラフトされたのは561人に上り、1巡目で指名された選手は188人もいるそう。いわば、MLBドラフトに選ばれるための1番の近道かもしれません。
そんな有能なスチュワー選手は、その後シニアとして6勝2敗・防御率0.91・128奪三振を記録。フロリダ州のGatorade Baseball Player of the Yearに選ばれています。
(※Gatorade Baseball Player of the Yearはアメリカの新進気鋭の高校生アスリートに毎年授与される賞です。)
そしてその後、2018年6月MLBドラフトでアトランタブレーブスから全体8番目で指名を受けましたが、身体検査で右手首に異常が見つかったこともあり、ブレーブスの提示した契約金額がスチュワート側の要求と開きがあったので]、契約期限の7月6日までに合意しませんでした。
そのため、2019年のドラフトでの選考対象となるために、東フロリダ州立短大に入学し、今年6月からのMLBドラフトの指名を待っていた矢先、なんと日本球界の福岡ソフトバンクホークスから獲得要請があり、契約を果たしたのである。
スチュワート 2019年の年俸
日本球界に挑戦を表明したスチュワート選手。
推定6年700万ドル(約7億7000万円)という高校生では破格の金額で契約を果たしたそうです。
代理人のスコット・ボラス氏はスチュワート選手を契約満了後の25歳でメジャー入りさせる考えだが、まずは日本流の野球を学ばせる意向とのことです。
ボラス氏はアメリカで有名な契約代理人であり、元ニューヨークヤンキースのバーニーウィリアムズ、A・ロッド、バリーボンズ、日本人選手では松坂大輔選手、菊池雄星選手の代理人も務めたことのある凄腕代理人です。
そんなボラス氏がスチュワート選手の代理人を務め、日本野球に挑戦するという熱意は応援したくなりますね。
スチュワート 球種や球速
SBが超有望株のカーター•スチュアート(19)と契約合意。
身長198cmの長身右腕。
常時148-151・最速158㌔の速球。
平均130㌔前後・平均スピンレート常時3200rpm以上の"パワーカーブ"の評価が極めて高く、現時点でもMLBのカーブではトップクラスとの評価。チェンジアップは時折腕が下がるなど発展途上。 pic.twitter.com/n1Hup1JOsP— NPB外国人選手好きのtweet (@CPMMAF) May 21, 2019
ストレートの最速は158キロ、常時150km前後のストレートを投げ、変化球は主にカーブとチェンジアップを持ち球にしています。
彼の現段階での投球フォームを見ると、まだまだ荒削りな印象もありますが、伸び代は十分に感じますね。
スチュワートの背番号は?
出典:https://www.nikkansports.com/baseball/photonews/photonews_nsInc_201905250000981-1.html
まだ契約合意のニュースしか報道されていませんので、背番号の情報は不明です。
ちなみに現在ソフトバンクでは、以下の番号が空いています。
『2、3、15、23、46、52、55、63、79、89、92』
15は藤井 将雄、89は王貞治の準永久欠番となっており、新人選手が付ける可能性は低いと思われるので、投手として付けるのであれば『23』が有力ではないかと予測しています。
ちなみに、準永久欠番15の藤井将雄選手は2000年、末期の肺がんにより31歳という若さで亡くなりました。
当時、藤井選手は、投手として福岡ダイエーホークス(現・ソフトバンクホークス)に所属。
“炎の中継ぎ”と言われ、がんが発覚した1999年も、チームを26年ぶりのリーグ優勝、35年ぶりの日本一に導くなど大活躍をおさめていた大投手です。
※スチュワート選手の背番号は「2」に決定!まさかの一桁…予想できた人は少ないのではないでしょうか。
スチュワート 日本移籍の理由、そしてなぜソフトバンクが獲得できたのか?
MLBドラフトに指名されるほどの逸材ながら、なぜスチュワート選手は日本への挑戦を選んだのでしょうか?
その理由は、MLBドラフトで入団しても『数年はマイナー生活』ということ。さらに彼には『傷モノ』のレッテルが貼られていること。この2点が懸念事項であります。
どれだけ才能があっても、メジャーに昇格するまでにはルーキーリーグ、1A、2A、3A、と順番に昇格しなければならず、(飛び級する選手も勿論います。)更には古傷があるという印象から、少しでも結果を残せなければすぐにクビになるというリスクがあります。
そこまでアメリカでリスクを背負うよりも、日本でのきちんとした環境で成長し、1軍で登板する機会を増やせば、彼自身もしっかり野球に打ち込めます。
さらに、6年700万ドル(約7億7000万円)という契約条件を考えると、アメリカマイナーリーガーとして低賃金、厳しい移動や環境でプレイするよりも、充実した設備で、且つきちんとしたサラリーを受け取れる環境の方が、彼のキャリアプラン的にも充実した将来を見越せたのでしょう。
環境面においても、福岡ソフトバンクホークスは12球団で1番の設備環境、育成環境が整っており、選手の能力を伸ばすにはうってつけのチームなのです。
日本球界では、アメリカとは違い細かい指導も多く、基礎的な練習に注力することもあります。アメリカ選手は苦手なバント処理も、日本では徹底的に練習します。
また、配球に関しても、アメリカ人投手はパワー系ストレートでバッターを抑えるという能力には長けていますが、コントロールがいまいちな選手が多いです。しかし日本でプレイすれば、ストライクゾーンの隅を狙い、どうしたらタイミングをずらして打者を抑えられるかという配球も学べます。
トータル的に、日本野球で経験を積み、メジャーへ逆輸入されるというのは、この先トレンドになるかもしれませんね!
とにかく、スチュワート選手が日本を選んでくれたことに感謝してますし、彼が成功してくれることを祈っています!
https://www.youtube.com/watch?time_continue=280&v=B2PYtJPnbWw