2月24日(日)にテレビ朝日系列で放送予定の番組「路線バスで寄り道の旅」。
この番組は徳光和夫と女優・田中律子に加え、ゲスト1人を含めた3人で、日本国内を運行する路線バスを乗り継ぎ、様々な名所など巡りながら自由気ままに旅をする番組である。
この番組の次回放送回にて、『ホームラン地蔵』を探す旅に出るということで、今回はこの『ホームラン地蔵』についてご紹介していこうと思う。
ホームラン地蔵とは
『ホームラン地蔵』とは、東京・品川に建立されている日蓮宗の寺院である海徳寺内にあ地蔵菩薩像である。
日本には多くの地蔵菩薩像が存在し、それぞれの地蔵菩薩像には様々な形や意味合いが込められている。
一般的に地蔵菩薩像の形像は袈裟を身にまとい、左手に如意宝珠を持ち、右手に錫杖を持つ像が多いのだが(諸説あり)、この海徳寺内にある地蔵菩薩像は、何と左手に『ボール』、右手に『バット』を持つ変わった地蔵菩薩像なのだ。
野球のバットとボールを持つ地蔵菩薩ということで、これまで多くの野球関係者がお参りに行っているそうだが、中で世界のホームランキング・王貞治は特に思い入れが強いのだ。
そのエピソードとは?次項でご紹介しよう。
ホームラン地蔵のお墓 王貞治との縁、とある少年との出会い
出典:https://www.youtube.com/watch?v=zHTx4PMiO5c
王貞治がプロ入団後、まだホームランを量産する前の頃の話だ。
王貞治が駒沢球場で放ったボールがある少年に当たり、そのまま入院。その後、王は見舞いに行ったのだ。
その時、病院に来ていると噂を聞いた少年(和夫君)の母親が、王貞治を訪ねたのだ。
『うちの息子がね。すごい野球のファンで、王さんのこともすごく応援しているんだけど、残念ながらこうこうこういう病気になっちゃったんで、ちょっと見舞ってやってくれないか』
母親からこう告げられた王は、毎月和夫くんのお見舞いに行き、自分が野球を一生懸命やれる環境にあるということを強烈に感じ、彼を支えるつもりが、いつしか彼に支えらえていた。
そして王と和夫君が出会って3年後、和夫君は亡くなった。
亡くなる前日、見舞に訪れた王は別れ際に、和夫君から
『さよなら さよなら』
と最期の言葉を耳にした。
この時、少年と『活躍』を約束した王は、入団4年目にして初めてホームラン王を獲得し、その後の活躍はみなさんご存知だろう。
和夫君の死後、ご両親は、野球が大好きであった和夫君のためにお墓に、右手にバット、左手にボールを持った地蔵を建てた。そして王さんは、ホームラン記録を更新するたびにこの『地蔵』に報告に来ていた。
そう。その地蔵こそが後の『ホームラン地蔵』なのだ。
バットとボールを持った『地蔵』は、ホームランを量産した王さんにちなみ、『ホームラン地蔵』と呼ばれるようになった。
『ホームラン地蔵』にはそんな素敵なエピソードが秘められていたのだ。
ホームラン地蔵の場所、新馬場・海徳寺
出典:https://www.e-ohaka.com/detail/id1443687723-303787.html
『ホームラン地蔵』が、東京の品川に位置し、京浜急行「新馬場駅」より徒歩5分の好立地にある。
江戸時代の中期に完成した現在の本堂は、品川区内でも屈指の古い木造建物であり、広々とした境内は緑が多く、別称を「花の寺」と言われ、春の境内は桜、藤、キョウチクトウ、山吹、カイドウなど、数多くの花が咲き競う由緒ある寺院だ。
ホームラン地蔵のご利益
出典:http://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=097-20170903-13
前述した通り、王貞治は入団後3年間はあまり思うような成績を残せず、低迷していた。
しかし、和夫君が亡くなった後、気持ちを入れ替え、野球に真摯に取り組み、その翌年から一本足打法を始め、初のホームラン王となった。
その後、『世界のホームラン王』という名実ともに一流の選手になった王は、この『ホームラン地蔵』のご利益を一番感じているに違いない。
今野球に取り組んでいる少年少女、そしてプロを目指しホームランを量産したいアマチュア選手はこの『ホームラン地蔵』に参拝に行くべきだろう。
ホームラン地蔵が、今後も野球界を見守っていくことを願いたい。