多くの人を熱狂させる高校野球。特に毎年夏の大会は多くの感動と奇跡を起こし、様々な人を虜にするこのスポーツですが、高校野球を見ていると気になるのが球児の帽子の形です。
それぞれの学校によって帽子の形が異なり、帽子そのものが学校の特徴に紐づくこともあります。
そこで今回は高校野球(球児)の帽子の型付け方についてご紹介していきたいと思います。
高校野球 帽子の型付け方
出典:https://matome.naver.jp/odai/2136957909384957001
上記の写真を見る通り、普通の帽子であれば左側の絵のような形で被るのですが、多くの高校球児は左の絵のような形に‘あえて’形を変え、トップを凹ましています。
このトップを凹ます方法で一番多くの球児が行うのが「洗濯バサミで挟む」という方法です。
出典:https://matome.naver.jp/odai/2136957909384957001
その洗濯バサミをつける前に、まず親指と人差し指で、下記のように跡を付けます。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=ztaXBNTN1Ig
そのあと、洗濯バサミで止めて固定すれば、ある程度は完成します。
洗濯バサミの数に決まりはありませんが、多いに越したことはないです。
この形を作ることにより、見た目は良いのですが、帽子は浅めに被らなければならず、特にピッチャーは投げる度に落ちてしまうというデメリットもあります。
帽子の型付け方で参考になる動画もありましたので、皆さんも参考にしてみてください。
高校野球 帽子型付けの意味は?
出典:http://michinaruyakyuch.doorblog.jp/archives/42390256.html
何故高校球児は帽子を型付けるのでしょうか?
そもそもこの帽子に形を付けるのが当たり前になったのが、1994年夏の甲子園大会で準優勝した鹿児島県の興南高校・福岡真一郎選手がきっかけなようです。
出典:http://akasannz.com/archives/8421
福岡真一郎選手といえば、94年の甲子園決勝にて田村恵(元・広島)と黄金期バッテリーを組んでおり、大会を覚えている人は多いはずです。
94年の決勝戦、佐賀商vs樟南。
佐賀商業のキャプテン・西原が史上初の決勝戦でのサヨナラ満塁ホームランを放ち、全国制覇を果たしましたが、この時にマウンドにいたのが、樟南の福岡真一郎選手です。
高校時代に春夏通算4度甲子園に出場し、鹿児島商工から樟南に校名変更した1994年夏、エースとして準優勝に導いた右腕。その後は樟南から九産大に進学しました。
卒業後は、社会人のプリンスホテル入りしたものの、が2000年に廃部。故障もあって野球人生に区切りをつけたという福岡選手。
そんな福岡真一郎選手はルックスが良くアイドル的な存在で一世を風靡し、彼をきっかけに帽子のツバをグッと曲げ、型付ける選手が増えたと言われています。
高校球児は高校生活の全てを野球に捧げ、自由はほとんどないと言っても過言ではありません。
坊主強制、寮生活、携帯禁止等、普通の高校生では考えられない生活を余儀なくされ、そんな生活の中で少しでも‘オシャレ’をしたいという気持ちを込めて、帽子をアレンジするという風潮があります。
また、この帽子を型付けをするのは「強豪校あるある」で、ユニホームの着こなしでその相手が強いかどうかを感じることができるのです。
そう言った意味で、この帽子の型付けは、ある意味高校球児には必要な行為なのかもしれませんね。
近年では、帽子のトップを凹ませず、大学野球の選手のような帽子を予め作っている高校(常葉菊川高校等)もあり、様々な帽子の形が出てきています。
出典:https://hashtagen.com/tag/常葉大菊川
ちなみにこの帽子のツバをグッと曲げ、型を付ける形の先駆けである福岡選手の息子さんも高校球児で福岡県の筑陽学園・福岡大真選手です!
出典:https://aokiin.com/fukuoka-taishin-chikuyou-1243/
福岡大真選手は典型的な高校球児の帽子の型付け方ではなく、父親のように緩やかに帽子を曲げているようです。
高校野球の帽子 つばの曲げ方
高校野球の帽子だけではなく、一般的な帽子も含めて多くの帽子のつばの曲げ方は、
『真ん中で折ろうとしないで真ん中とその周りを少しずつまげてく』
というのが一般的な方法かと思います。
このように少しずつ曲げていく形で作る球児と、メジャーリーガーやヒップホップアーティストのようにまっすぐのままの状態で被る球児と分かれる傾向があります。
出典:https://baseballgate.jp/p/62924/
上記の写真が2O17年の選抜大会でベスト16入りをした智弁学園(奈良)岩井文飛投手です。
彼は帽子がまっすぐな理由について「まっすぐな方が気合が入ります」と述べており、選手によってはまっすぐな方が良いと思うようです。
ちなみに、多くの高校球児は帽子のつばにマジックで文字を書いています。
自身が好きな言葉(例:One for all, All for one/全力プレー/臥薪嘗胆/一球入魂など)を入れることが多く、選手一人一人が想いを込めて書いているそうですよ!
ちなみに筆者は3年の夏の大会前にマネージャーに頼んでメッセージを書いてもらいました!(淡い青春、、)
高校野球 帽子が浅い
出典:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/237342
プロ野球選手では気にならないものの、高校野球を見ていると帽子の形や被り方が気になる!という人は大勢います。
この帽子の型付けによって、帽子が浅くなるのは致し方なく、帽子は落ちやすくなります。
ただ、高校球児の全力プレーによって帽子は落ちてしまうということもあるので、皆さんは「また帽子落ちてる!」と思わず、「全力だな!」と思って観戦してほしいですね。
高校野球の帽子がダサい
現役の高校球児は帽子を型付けるのがイケてると思い、ほとんどの球児は帽子を格好良くします。
しかし、世間では「ダサい!」と感じている人は多いようです。
例えばお笑い芸人・おぎやはぎの小木博明さんは、
「あの形をしてない方を応援しているの。俺、あの型をつけてるチームがすげ~嫌なの。古臭いなって思って、たぶん伝統でしょ!? 古くからの?型を作ってないヤツから見ると情けないというか、ダサく見えるの」
と述べています。
各々で型付けしている選手もいますが、小木さんの言う通りで高校の「伝統」として型付けを行なっている可能性も高いかもしれません。
確かに高校野球ほど昔からの伝統を守るスポーツはありません。
例えば高校球児の試合前のアップ。まるで戦時中の軍隊のように足並みを揃え、走りながら声を出すのも全員で揃えて行います。
他にも「坊主強制」や制服は第一ボタンまで閉めるといった普段の学校生活でも野球部は縛りが多く、窮屈な生活をさせられます。
これら一連の決まりは「昔からの学校(野球部)の伝統」によって定められ、生徒はこのルールに従うしかないのです。
そういった意味で、もしかすると高校球児の中でもこの「型付け」を嫌がってしている球児もいるのかもしれませんね。