野球ルール・歴史

亜大ツーシーム握りや投げ方!由来や歴史,使い方についても

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昨今、プロ野球には多くの球種が存在しています。

特に2000年代以降は、メジャーリーグからの影響などもあり、たくさんの球種の使い手が現れました。

そんな中、今や多くの投手が投げ、今では当たり前のようになっている球種があります。

それがツーシーム。

打者の手元で微妙に変化をし、バットの芯を外すことで知られており、今では有効的な球種として多くの投手が投げています。

そしてこのツーシームから更に派生した球種があります。

それが「亜大ツーシーム」。

一般的なツーシームとは違った変化をするものの、投げ方は「ツーシーム」であることから、この変化球の生みの親と関係する亜細亜大学の冠を持った「亜大ツーシーム」。

今回はそんな特殊な球種として打者を困惑させ続ける「亜大ツーシーム」について紹介していきたいと思います。

亜大ツーシーム・亜細亜ボールとは

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引用:週刊ベースボールONLINE

亜大ツーシームとは、現在プロ野球において、亜細亜大学の出身者が投げる「ツーシーム」です。一躍有名になった大きなきっかけは、横浜DeNAベイスターズの守護神である山崎康晃投手が入団してから投げる、縦の変化球が今までの投手には見られない変化をしており、その変化球を山崎康晃が「亜細亜大学時代に習得した”ツーシーム”である」と発言したことから「亜細亜大学のツーシーム」ということで「亜大ツーシーム」という名前がつけられました。

変化としては、打者の手元で急激に落ちる変化球で、球速もストレートと大きな差がないためスプリット(SFF、スプリットフィンガードファーストボール)と似ていますが、右打者の内側にやや食い込みながら(左打者であれば、やや外側に逃げるような)軌道も持ち合わせています。そのため「シンカー」とも称されることもあります。

今でも山崎康晃投手が多投する「ツーシーム」を、実況の方が「ツーシーム」と紹介すると「ツーシームではない、スプリットだ」「ツーシームではなくシンカーだ」と反論めいたことを話す解説者も多くいるのが現状ですが「本人がツーシームというならツーシーム」という納得した意見も多く見られるようにもなりました。

かつて、落ちるボールというと「フォークボール」が主流でしたが、今では「スプリット」が主流となってきており、亜細亜大学の出身者はこの「亜大ツーシーム」を決め球として多く投げています。

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亜大ツーシームの握り・投げ方について

「亜大ツーシーム」に握りですが、まずその前に「ツーシーム」の握りについて説明します。「ツーシーム」はボールの縫い目が一番狭まっている部分に人差し指と中指をかけて投げます。

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引用:変化球.net

 

この指のかけ方については人それぞれで、かけ方によって変化量が増していきます。

次にその「亜大ツーシーム」の握り方ですが「亜大ツーシーム」はボールの縫い目が狭まった部分から少し広がった部分に人差し指と中指をかけます。

したがって、人差し指と中指の間隔は「ツーシーム」より広くなり、ボールを挟み込むようにして投げることになります。これが「スプリット」と同じような握り方であることから「亜大ツーシーム」は打者の手元で沈み込むボールとなるわけです。

また「亜大ツーシーム」は親指のかけ方について「ツーシーム」とも「スプリット」とも違う点があります。

「ツーシーム」は縫い目にかけずに投げ、「スプリット」は親指を軽く縫い目にかけて投げますが、「亜大ツーシーム」は親指をほぼべったり縫い目にかけて投げます。

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引用:変化球.net

 

したがって「亜大ツーシーム」の握り方としては、人差し指と中指、そして親指で「包み込むようにして投げる」のが最大の特徴です。

次に投げ方ですが、「ツーシーム」や「スプリット」はボールを投げる(リリースする)際に手首をスナップして投げますが「亜大ツーシーム」は手首を固定、ロックした状態から親指で押し込むようにして投げます。

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手首でのスナップを利用せずに投げるため、ボールのスピン量は減少し、変化量も多くなります。俗に言う「無回転ボール」に近い回転となるため、変化する軌道もなかなか定まらないということになり、打者を困惑させるボールになるというわけです。

亜大ツーシームの名前の由来・歴史について

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引用:野球選手がお通りです…?!

 

「亜大ツーシーム」の名前の由来については、前述にて紹介したように、横浜DeNAベイスターズで活躍している山崎康晃投手が、亜細亜大学時代に習得した変化球であることから「亜大ツーシーム」と名付けられたと紹介しました。しかしこの「亜大ツーシーム」自体は、プロ野球で活躍している亜細亜大学出身の投手が多く投げるようになっています。このことからも、亜細亜大学では、この変化球が代々伝えられることから、亜細亜大学出身者が多く投げる変化球として「亜大ツーシーム」が広く知られるようになりました。

ここで「亜大ツーシーム」が完成されるまでの歴史について紹介していきたいと思います。

山崎康晃投手が亜細亜大学時代にこの「亜大ツーシーム」を習得したきっかけは、当時の亜細亜大学の先輩であり、現在は福岡ソフトバンクホークスでエース格として活躍している東浜巨投手に教えてもらったことでした。

東浜巨投手は、この「亜大ツーシーム」のもととなるシンカーを沖縄尚学高等学校時代に習得していました。つまり「亜大ツーシーム」の原型は「シンカー」であるということです。

そのシンカーを武器に東浜巨投手が亜細亜大学に入学した後、亜細亜大学の生田勉監督に、名投手である野茂英雄氏の伝家の宝刀、フォークを参考に、手首を立てた状態で投げ、落差の大きい変化球に改造したことが、シンカーではなく「ツーシーム」として誕生しました。

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この「ツーシーム」を東浜巨投手が多くの後輩投手に教えたことで、広まっていきました。元を辿れば、この「ツーシーム」の原型は「シンカー」なのですが、教えてもらった後輩たちが「ツーシーム」であると思い込んだため「ツーシーム」として定着していきました。

解説者達は「本人たちがツーシームというのだからツーシームだ」ということで納得していますが、今でも「スプリット」あるいは「シンカー」と呼ぶ解説者がいるのは、このように変化球としての握り、変化を理解してこその発言であると言えるわけです。

 

亜大ツーシームの使い手

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引用:Number Web

 

では、この東浜巨投手の亜細亜大学入学をきっかけに誕生した「亜大ツーシーム」を操る後輩たちはどのような投手がいるのでしょうか。

亜細亜大学時代に東浜巨投手が山崎康晃投手に教え、その山崎康晃投手がメディアで話したことで知られるようにもなった「亜大ツーシーム」ですが、実は東浜巨投手が初めて「亜大ツーシーム」を教えた投手は山崎康晃投手にも前にいたのです。

それが、現在広島東洋カープで活躍する九里亜蓮投手です。九里亜蓮投手は東浜巨投手の1年後輩で、東浜巨投手が「亜大ツーシーム」を習得してすぐに九里亜蓮投手にこの「亜大ツーシーム」を伝授しました。

そしてその1年後に山崎康晃投手が入学し、九里亜蓮投手と同じく東浜巨投手に「亜大ツーシーム」を教わることになるのです。この山崎康晃投手と同学年で、これまた現在、広島東洋カープで活躍する薮田和樹投手も入学しており、この薮田和樹投手も同じく東浜巨投手から「亜大ツーシーム」を伝授されました。

そして山崎康晃投手・薮田和樹投手の3学年後輩であり、現在阪神タイガースで活躍している高橋遥人投手が、山崎康晃投手・薮田和樹投手から伝授、そしてその高橋遥人投手の1年後輩であり、現在千葉ロッテマリーンズで活躍している中村稔弥投手も、高橋遥人投手から伝授され、この「亜大ツーシーム」代々伝授されていくようになりました。

しかし、この「亜大ツーシーム」はあくまでも「亜大ツーシーム」の握りを教えてもらったに過ぎず、この「亜大ツーシーム」は使い手それぞれで工夫し、自分なりの変化球として確立させ、それぞれ速度や変化の仕方が異なることから「亜大ツーシームは1つとして同じ変化球ではない」とされています。

亜大ツーシーム・亜細亜ボールについてのまとめ

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引用:日刊スポーツ

このように亜大ツーシーム・亜細亜ボールについては、山崎康晃投手が活躍したことで広く知られるようになりましたが、亜細亜大学に伝わる伝統の変化球となってきつつあります。

現在では、プロ野球で多くの「亜大ツーシーム」の使い手が現れていることから、この使い手たちから、多くのプロ野球選手へ「亜大ツーシーム」が広まり、やがてはメジャーな変化球となるかもしれません。

是非、前述した投手が登板している試合ではこの「亜大ツーシーム」に注目して見てみることや、使い手たちの「亜大ツーシーム」の違いについても注目して見てみると面白いかもしれませんね。

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