野球ルール・歴史

プロ野球審判員給料,年収は?高校野球審判との給料比較についても

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年間を通して毎日のように行われるプロ野球。
長い歴史の中で、絶えず続いているプロ野球は、日本人にとって最大のスポーツ娯楽であると言えます。

そんなプロ野球が円滑に行われる中で、決して欠かすことのできない立役者がいます。

それが、プロ野球審判員です。

日頃、選手や球団などから感謝のされにくいポジションであり、プロ野球の「当たり前」を形成するに留まっている役割でもありますが、
プロ野球審判員をなくしては、日々の試合が成り立たないことはもちろん、様々な記録も生まれないことでしょう。

「プロ野球の試合があって当たり前」「審判がいて当たり前」というイメージが強く「審判がいない世界」など日頃考えている人などいないかもしれません。

しかし、この「審判」こそ、プロ野球を支える上で、決して欠かせないポジションなのです。

将来的には、高度な技術の発達により、全てその役割が機械に置き換えられてしまう、という憶測もたっていますが、
厳正かつ正確な裁きは、まさに人間にしかなし得ない、ポジションでもあると言えます。

今回は、そんな日頃なかなか日の目を見ないプロ野球の審判員について紹介していきたいと思います。

プロ野球審判員の給料、年収はどのぐらい?

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引用:エスエスケイ

プロ野球で「スター」と呼ばれる選手の中には、年俸数億円にもなります。
そんな選手が数多くいるグランドの中で、日々裁きを行なっている審判ですが、その給料や年収については、あまり明らかになっていません。

日本全国で毎日のように行われるプロ野球を日々裁いている審判は一体どれほどの給料や年収なのでしょうか。

まずその給与体制ですが、プロ野球の審判員は1年契約の年俸制となっているそうです。そして、その年俸が12等分され、月々給料として支払われているそうです。

この年俸をベースに、用具代と交通費、宿泊費、そして試合の出場手当が足されることになります。

審判の用具費とは一体どういうものか、イメージのつかない方もいるかもしれません。
一見、試合に出場している審判は、いたってシンプルな出で立ちであり、用具などを必要をしていないようにも見えますが、
実は。審判は様々なものを見に付けて日々審判を行なっています。

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一般的な野球の審判を行うにも必要になる用具が数多く存在します。

①インジケーター

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引用:ベースマン

インジケーターとは、審判がボール、ストライク、アウトを手元でカウントするために使うものです。
テレビ中継などで審判の動きをみていると、審判が時より手元を確認している姿を見ると思います。

あの姿というのが、このインジケーターをみて、現在のカウントを確認している姿なのです。

各球場にはスコアボード付近にカウント表示をしていますが、実際に間違って表示されているケースも頻繁にあります。
よって、裁きを行なっている審判のカウントを絶対の正とするため、このインジケーターでカウントを行なっているのです。

②審判用シューズ

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引用:Yahoo!ショッピング

意外と知られていませんが、審判にも専用のシューズがあります。
よく考えれば、審判は試合に出場しているどの選手よりも長くグランドに立ち続けています。
そのため、疲れにくいシューズを履く必要があります。

また、範囲は狭いものの、プレーに合わせてジャッジしやすいポジションに動くため、俊敏に動けるものが必要になります。

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選手のものほど、瞬発性に富んだものではありませんが、審判にもその役割に適したシューズを履く必要があるのです。

③審判用プロテクター

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引用:伊勢審判本舗

球審を務める審判が付けているものになりますが、球審はキャッチャーの次に打者の近くにいるため、当然キャッチャー同様の防具が必要になります。

試合中に見ることはありませんが、実はあのウエアの下にはプロテクターを装着しているのです。

④審判用レガース

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引用:PayPayモール

これもキャッチャー同様、足にもレガースと呼ばれるプロテクターを装着しています。
上半身のプロテクター同様、これもウエアの下に装着しています。

⑤審判用マスク

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引用:ミズノ公式オンラインショップ

これもキャッチャー同様です。大事な顔を守るため、球審を務める審判は必ず装着しています。

⑥ハケ

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引用:ヒマラヤ

普段あまり意識してみてはいないと思いますが、時より審判がホームベースを掃除している姿をみると思います。
これは、ホームベース付近でのプレー後や、ワンバウンドの投球後に、土で汚れてしまったホームベースをハケで掃いているのです。

球審を務める審判は、ホームベース上に投球されたかどうかでストライク・ボールの判定を行うため、ホームベースが土で汚れてしまうと正確な裁きができなくなってしまうのです。

⑦ボール袋

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引用:スポーツサクライ

これはよく見る光景だと思いますが、審判は選手からの要求や、審判自らの判断によって、ボールを交換します。
球審を務める審判は、そのボールを手元に持っておくために腰付近にこのボール袋を下げているのです。

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このように「用具代」といっても審判に必要な用具は様々あり、その用具を所持するためにもお金がかかるということなのです。

加えて交通費と宿泊費についてですが、審判は自身在住が関東または関西かによって担当エリアなどが定められており、そのエリアの中で選手同様に各球場に遠征に向かいます。
その遠征費、つまりは出張費として審判に支払われるものです。

そして、試合の出場手当ですが、審判が担当する試合が1軍か2軍か。そしてどのポジションを担当するかによって、その手当金に違いがあります。

まず、1軍の試合を担当した場合ですが、
1軍であれば、担当するポジションによって、この試合の出場手当が変わります。

球審…34,000円
塁審…24,000円
控え…7,000円

となります。やはり負荷が多い球審は、この出場手当も高くなっているようです。

そして、これが2軍の試合を担当した場合は、担当のポジションに関わらず一律2,000円となるそうです。
やはり、この審判の世界も1軍と2軍の違いは大きく、晴れやかな舞台の中で裁くことを夢見る姿は、まさしく選手同様の気持ちなのかもしれません。

年俸にも1軍試合を担当する審判と2軍試合を担当する審判とで、最低年俸ラインが異なり、

1軍の最低年俸…750万円
2軍の最低年俸…345万円

とほぼ倍近い金額の差があるようです。
先程の試合の出場手当も含めると、1軍と2軍では大きな金額の差があるということになります。

プロ野球審判員の仕事内容とは?

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引用:Twitter

では、プロ野球の審判の具体的な仕事内容はどのようなものなのでしょうか。

まず、プロ野球の審判になるための基準があり、以下の条件に当てはまる人でなければ応募資格がありません。

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・募集時点で30歳未満の男性であること。
・身長が175cm以上かつ裸眼視力が1.0以上であること。
・野球経験者であること(パ・リーグのみ)

この条件に合致し、採用試験に合格した審判員が研修を行った後に晴れて試合に出場できるようになるのですが、ただ試合の審判を務めるだけではなく、見えない部分でも様々な仕事を行なっているのです。

なんと実はプロ野球の審判は、選手同様、試合前からの準備を入念に行なっているのです。

ほとんどの審判は、試合開始の2時間前に球場入りし、試合に使うボールを磨いているそうです。
試合に使うボールといっても、スタンドに入ったボールは回収されることはありませんから、試合中に消費するボールの数はかなり多いといえます。
そんな大量にあるボールを磨いているそうなのですが、このボール磨きこそ審判の大事な仕事なのだそうです。

確かに、試合を左右する上で、ボール一つ一つに個体差があってはいけません。
万事公平を期するためにも、ボールを丁寧に磨き上げることが大事といえます。

また審判によっては、2時間以上前に球場入りし、イメージトレーニングなどジャッジの練習をグランド内で行なっているそうです。
若手の頃などは、慣れない球場や苦手な球場、そして特殊な環境下にある球場などもあることでしょうから、イメージトレーニングを行なっているのだと思います。

これは、選手にも共通して言える部分かもしれませんね。

そして試合中は、球審であればストライク・ボールなど様々ジャッジを1球ごとに行い、塁審であれば、自身に近いプレーのジャッジなどを行なっています。
一説によると、球審は相当なハードワークだそうで、その疲労度は先発投手が完投するほどだとも言われています。

試合後には、選手同様に反省会を行うなどして、その試合中のジャッジを振り返っているそうです。

この他に、試合に出ていない審判、という役割も存在します。
給料の項でポジション別の試合出場手当として出てきた「控え」というポジションです。

実は、試合に出場している4人の審判(球審と3人の塁審)の他に、控えの審判が必ず試合に帯同しています。
控えの審判は、試合に出場している審判にアクシデントが起きた時に、代わりに出場できるようにスタンバイしています。
スタンバイをしているだけでなく、選手交代の連絡係や、試合に使用するボールやその他の用具のチェックを行なっています。

このように試合を見るだけではわからないような部分でも審判はたくさんの仕事をしています。

ちなみにプロ野球の審判にも「定年」があり、55歳で定年となっているようです。しかし、高齢化社会やシニアの活躍という観点からもこの定年年齢の引き上げが予定されており、58歳で定年とする動きがあるようです。

そして、体力的・能力的にもさらに活躍できると判断され、本人の希望があれば、最大で65歳までの審判員が継続できるようになっているそうです。

審判というと「おじさん」というイメージが強いですが、意外とその定年は一般社会と比べると早く、60歳を待たずして定年を迎えるそうです。

まさに選手同様「体力勝負」となる職業ですし、3時間以上も立ちっぱなしの激務ですから、そう長くは務められない職業なのかもしれません。

プロ野球審判と高校野球審判の給料を比較!

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引用:朝日新聞デジタル

プロ野球のみならず、アマチュアの世界にも専属の審判がいます。

それぞれに専属の審判がいるため、プロ野球の審判が高校野球の審判を務める、といったことはありません。
また、実はそのスキルにも大きな差があるようで、プロ野球の審判より高校野球の審判の方がややジャッジが粗いとも言われています。

そんな審判の「プロ・アマ」の違いについてですが、プロ野球の審判と高校野球の審判では給料にどのような差があるのでしょうか。

まず、プロ野球の審判ですが、これはさきほどご紹介したとおり、
1軍であれば、最低年俸の750万円+諸手当、2軍であれば、最低年俸の345万円+諸手当です。

対して高校野球の審判ですが、高校野球の審判はプロ野球のような年俸制ではなく、日当制で支払われています。

高校野球などアマチュアの野球全体に共通しているのことなのですが、高校野球の審判は、1日5,000円+交通費と食事代程度だそうです。
拘束時間は試合前の準備時間などを含めれば、時給1,000円程度といったところでしょうか。
プロ野球の審判とは、かなりの差があることが分かります。

またこの日当にも差が生じるケースがあり、甲子園大会や地方大会などといった、いわゆる「公式戦」と呼ばれる試合であれば、5,000円ほどの報酬がもらえるようですが、高校が自主的に行うような「練習試合」などでは、数千円に下がるようです。

中には、5,000円ほどの報酬を払う学校もあるようですが、多くは「謝礼金」のような形で済ます高校が多いようです。
したがって、1年間頑張って高校野球の審判だけを務めていてもまとまった給料にはならず、生活していけないため、多くの方は「副業」やボランティアのような形で高校野球の審判を務めているようです。

プロ野球はやはりスポーツの「興行」だけあって、それだけ審判にもしっかり報酬が与えられる一方で、れっきとした仕事にもなっているので、審判を務める方にも相当なプレッシャーもかかっているというわけですね。

プロ野球審判員の給料や仕事のまとめ

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引用:スポーツブル

いかがだったでしょうか。最後に今までご紹介した内容をまとめてみたいと思います。

プロ野球審判員の給料や年収について

プロ野球審判員の給料は年俸制で、1軍の審判であれば年俸750万円~、
2軍の審判であれば年俸750万円~。
プロ野球審判員には、この年俸の他に用具費と遠征費、
試合出場手当が支給される。
支払われる試合出場手当は、担当するポジションによって違いがあり、球審が一番高い。

プロ野球審判員の仕事内容について

プロ野球審判員の仕事は試合開始2時間前から始まる。
プロ野球審判員は、試合前にボール磨きやその他用具の準備などを行なっている。
プロ野球審判員の中には、試合開始2時間以上前から球場入りし、ジャッジの練習を行なっている。
プロ野球審判員は、試合後に反省会を開き、当日の試合の振り返りを行なっている。
プロ野球審判員には、試合に出場する審判の他に、控え審判がいる。
控え審判は、選手交代の伝達や用具の管理など裏方的な作業を行なっている。

プロ野球審判と高校野球審判の給料の比較について

プロ野球審判員の給料は年俸制。
高校野球審判の給料は日当制。つまり試合の審判を務めないと給料が発生しない。
高校野球審判の日当額はおよそ5,000円。
この日当額は公式戦を担当した場合の目安であり、練習試合など非公式の試合であれば額は下がる。
高校野球審判だけでは生活していけないため、審判は「副業」やボランティアのような形で務めている人がほとんど。

このような結果となりました。
意外と知られていないプロ野球の審判の事情でしたが、これからのプロ野球観戦はこのような情報を踏まえて、いつもよりちょっと違った視点で、審判に着目してみるのも面白いかもしれません。

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